毎年蜂に刺される庭師からの注意喚起|庭の蜂の巣と危険な時期について

夏場になると、お庭で作業していて蜂に遭遇することが増えてきます。

アシナガバチは昔から普通に遭遇するのですが、近年増えてきているのはキイロスズメバチです。

昔は、スズメバチの巣に遭遇することは山や林などの自然の中が中心で、庭先や軒下で見かけることは稀でした。しかし、近年では住宅地の中でキイロスズメバチの巣を見かけることがごく普通になっています。

なぜ今、スズメバチの巣が増えているのか?

これは、開発により山林が切り開かれ、スズメバチたちが生息場所を失ってしまったことが一因と考えられます。行き場を失ったスズメバチが、比較的安全で人の出入りが少ない場所(軒下や物置、庭木の中など)を巣作りの場として選ぶようになっているのです。

このような背景もあり、今では「スズメバチハンター」と呼ばれる蜂の駆除業者がテレビやネットで注目を集めるほど、蜂との共存リスクが身近な問題となっています。

私は庭師という仕事柄、毎年のように蜂に刺されており、庭先で蜂と遭遇することも珍しくありません。
そうした経験を重ねる中で、ふと「ご家庭の方が庭で作業中に蜂と出くわしたら、どれほど危険だろう」と思うようになりました。
少しでも皆さまの安全に役立てればと、蜂の巣ができやすい場所や、注意すべき時期などの情報を共有していきたいと思っています。

蜂に刺されるとどうなる?

蜂に刺された瞬間は鋭い痛みが走り、時間が経つと痒みや腫れがひどくなります。人によってはアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応を起こすこともあり、命に関わる危険もあります。

よく庭で見かける蜂と巣の場所

お庭の中やお家の軒下で巣を作る事が多いといえば「アシナガバチ」と「キイロスズメバチ」です。

キイロスズメバチの巣

アシナガバチ:生垣の中や低木の寄せ植えなど、枝や葉が密集している場所

キイロスズメバチ:軒下や庭木の枝の間、場合によっては物置や通気口付近

オオスズメバチ:腐った切株や地中など山や林の中に多い

蜂が攻撃的になる時期

蜂は巣に幼虫がいる時期が特に攻撃的になります。

種類によって異なりますが、以下の時期が特に危険です。

アシナガバチキイロスズメバチオオスズメバチ
危険な時期7月~9月頃6月~10月頃9月中旬~11月頃

蜂の巣を見つけたときの対処法

蜂の巣を見つけたら決して近づかず、刺激しないことが第一です。「見なかったことにする」のではなく、誰かが刺される前に適切に対処しましょう。

市販の殺虫スプレーを使用する場合は、必ず「蜂専用」のものを使用してください。ゴキブリ用や蚊用のスプレーでは効きにくく、逆に刺激して襲われる恐れがあります。

特にスズメバチには「スズメバチ専用スプレー」でないと効果がありませんので注意が必要です。

しかし、オオスズメバチは「スズメバチ専用スプレー」でも退治できないのでご注意ください。※スプレー缶の裏の注意書きに記入されています。

ご自身で駆除するのが不安な場合は、決して無理をせず専門業者へ相談してください。命に関わることです。

まとめ

今回は、庭で遭遇しやすい蜂の巣の場所や攻撃的な時期、巣を見つけた時の注意点について、庭師としての体験からお伝えしました。

  • 蜂は夏~秋にかけて攻撃的になります
  • アシナガバチやスズメバチの巣は庭木や軒下に多く存在
  • 巣を見つけても決して無理はせず、必要に応じて専門業者へ

日々の生活やお庭作業の中で、蜂による被害が少しでも減ることを願っています。