■ 寒肥(かんごえ)とは?
冬の庭木に必要な栄養補給
寒肥(かんごえ)とは、冬の寒い時期に庭木や植木に与える肥料のことです。
寒肥を施すことで、春の芽吹きや花付きが良くなり、木の体力も整います。
特に、剪定後や実をつける木にとっては、栄養を吸収しやすい冬〜早春の時期に肥料を施しておくことが非常に重要です。
■ 寒肥を与えるタイミングと理由
寒肥の適期は、1月〜2月頃の寒さが厳しい時期。
この時期は木の根の活動がゆっくりとしており、肥料焼けの心配が少なく、ゆっくりと分解されて土壌に馴染むため、春の芽吹きに向けてちょうど良い準備となります。
■ どんな肥料を使うの?
森田造園では、木の種類や土の状態を見て、主に以下のような肥料を選定しています。
- 油かすや骨粉などの有機肥料:土を豊かにし、ゆっくりと効く
- 粒状の化成肥料:即効性と持続性のバランスを見て調整

液体肥料も効果的!
寒肥は1月〜2月頃の寒さが厳しい時期に肥料を入れまずが、ハイポネックスやリキダスなどの液体肥料は1年中与える事ができます。

■ 寒肥の施し方(基本の方法)
- 幹の周囲を避け、根の外側(根張りの先)に数ヶ所、穴を掘る
- 穴の深さは20〜30cm程度、スコップや鉄棒で数か所掘るのが一般的です
- 肥料を入れて埋め戻す
- 土を軽く踏み固めることで、土壌と肥料がなじみます
庭木の本数が多い場合や、高木がある場合は、全体のバランスを見ながら分散して施すことがポイントです。
■ 寒肥はどんな庭木におすすめ?
- 梅・柿・ミカンなど実をつける果樹類
- サザンカ・ツバキ・アジサイなど花を咲かせる樹木
- 前年に剪定や伐採を行った体力が落ちている木
特に「春先に調子を崩しやすい」「花付きが悪くなってきた」といったお悩みがある方には、冬の寒肥が非常に効果的です。
逆に肥料があまり必要でない庭木
勝手生えのクロガネモチやレイランディなど、勢いの強い庭木には幹を太らすだけで必要はないと思います。
まとめ|寒肥は春への“静かな贈りもの”
冬の寒さの中でおこなう寒肥の作業は、
派手さはなくても、春に向けた大切な準備のひとつです。
庭木のことを少し深く知るだけで、
いつものお庭が少し違って見えることがあります。
この「お庭の豆知識」が、
みなさまの暮らしの中で、
自然とのつながりを感じるきっかけとなれば幸いです。