モミジは、春の芽吹きから秋の紅葉、そして落葉まで、四季折々の美しさが楽しめる人気の庭木です。
ただし、剪定のやり方を間違えると、せっかくの風情が損なわれてしまうことも
この記事では、イロハモミジやシダレモミジに代表されるモミジ類の剪定の基本とコツを、造園職人の目線でわかりやすくご紹介します。
🌿 モミジの剪定、基本の考え方
モミジは枝が細く繊細で、傷みに弱い樹木です。
強すぎる剪定や時期を誤ると、枯れ込みや枝枯れの原因になることもあります。
✅ 大切なのは「透かし剪定」
モミジの剪定は、風通しと光の入り方を整えることが基本。
そのためには、刈り込むのではなく、不要な枝を根元から間引く「透かし剪定」が最適です。
🍂 イロハモミジの剪定は「姿を引き出す」手入れが理想
イロハモミジ(イロハカエデ)は、日本庭園にもよく使われる代表的な品種です。
丸く刈り込んで仕立てる例もありますが、繊細な枝ぶりや自然な風情を活かすなら透かし剪定が断然おすすめです。
枝がしなやかで柔らかく広がる性質を持つため、風と光の通り道を確保することで、健康な枝の更新と自然樹形の維持が可能になります。
刈り込み剪定を繰り返すと、枝が密集しやすく、風通しが悪くなることで病害虫の原因になる場合も。
🍁 シダレモミジの剪定は「透かし剪定一択」
シダレモミジの魅力は、何と言っても枝が自然に垂れ下がる優美な姿。
その樹形を守るには、「透かし剪定」以外の選択肢はありません。
枝を間違って途中で切ると、直立した不自然な枝が伸びてしまい、元に戻すのに数年かかることもあります。
シダレモミジの剪定は難易度が高く、判断を誤ると見た目も木の健康も損なわれてしまうため、信頼できる植木屋に依頼するのが安心です。
🎥 モミジの剪定を実際の映像でご紹介
📅 モミジの剪定時期と注意点
軽い透かし剪定 | 6月下旬~7月中旬 | 新芽の整理・混み合った枝の間引き |
本格的な整枝・強剪定 | 12月~2月(落葉期) | 太枝の処理・樹形の整理 |
剪定を避けるべき時期 | 春(芽吹き〜5月)/秋(紅葉期) | 樹液の流出や枯れ込みリスクが高くNG |
剪定のポイントと注意点
- 枝先を切るより、根元から間引くイメージで
- 枝が交差・重なっている部分は積極的に整理
- 木の内側にも光が届くように整える
- 太枝を切った場合は癒合剤(トップジンMなど)で保護を忘れずに
🧑🌾 自分で剪定できる?プロに任せるべき?
イロハモミジの軽い剪定であれば、ご自身でできることもあります。
しかし、シダレモミジや長年剪定していないモミジの手入れはプロに依頼するのが無難です。
剪定は「切る」作業ではなく、「整える」「活かす」作業。
樹木の個性や状態を見極めながら、最小限の手入れで最大限の美しさを引き出すのが、私たち植木屋の役目です。
📝 まとめ|モミジの剪定は“やさしく、丁寧に”
モミジは、過度な剪定よりも、自然な風合いを残すような“やさしい手入れ”が何よりも大切です。
透かし剪定で風と光の通り道をつくり、四季の美しさを安心して楽しめるお庭づくりを目指しましょう。