「前に植えていた木が枯れてしまって…」
「次はどんな庭木を選べばいいのか分からない」
「種類が多すぎて迷ってしまう…」
そんなご相談を日々多くいただきます。
確かに庭木といっても、針葉樹・広葉樹・常緑樹・落葉樹・花木・果樹…と種類はさまざま。
「好きな木を植える」が基本ですが、日本の住宅事情では育てやすさ・将来の管理コストも考慮する必要があります。
この記事では、植木屋の目線から後悔しない庭木の選び方をご紹介します。
🌳 庭木選びの3つのチェックポイント
✅1. 将来、大木にならない木を選ぶ
小さな苗でも、月日が経てば予想外に大きく育ってしまうことがあります。
毎年の剪定をおこなえば成長スピードも多少緩やかになるのですが、何もせずにほったらかしの場合はみるみるうちに大きくなります。
特に以下のような木は、広い敷地でなければ不向きです。
- ケヤキ
- ゴールドクレスト
- レイランディ
- トネリコ
- サクラ
- シュロ(棕櫚)
育ちすぎた木は剪定も困難になり、最悪の場合は伐採せざるを得ないことも…。
最初から成長が穏やかな木を選ぶのが安心です。

✅2. 枝や葉が旺盛に伸びすぎない木を選ぶ
例えば以下の木は年間の成長が非常に旺盛で、管理が大変です。
- アラカシ
- クロガネモチ
- ウメ
- トネリコ
日々の剪定が負担になる可能性があるため、初心者には不向きかもしれません。
アラカシ

✅3. 危険な毛虫がつきやすい木は避ける
特に注意したいのが「チャドクガ」という毒毛虫。
以下の庭木には注意が必要です。
- ツバキ
- サザンカ
- シシガシラ
肌がかぶれるなど被害も多く、小さなお子様やペットがいるご家庭では避けたほうが無難です。
ツバキ

🌼 庭師がおすすめする育てやすい庭木
「手間が少なく、見た目も美しい」そんな木をいくつかご紹介します。
🌿 常緑ヤマボウシ
常緑樹で落葉が少なく、樹形もまとまりやすい。白い花も楽しめて人気上昇中。

🌿 ソヨゴ(雌株)
赤い実が美しく、病害虫も少ない。育てやすさと和の風情を兼ね備えています。
🌿 ヒイラギ
魔除けとしても親しまれ、手間も少ない。
🌿 モッコク・マキ
伝統的な庭木で、落ち着いた雰囲気を演出。成長がゆるやかで手入れしやすい。
🌿 オウゴンマサキ
明るい葉色がアクセントに。生垣や低木としても使いやすい。

📝 まとめ|後悔しないための庭木選びとは
- 成長が早すぎる木は避ける
- 剪定や管理がしやすい木を選ぶ
- 毛虫や病害虫の出やすい木は避ける
- 何より「長く付き合えるかどうか」が大切です
庭木は、ただ植えるだけではなく、長い年月をともに過ごしていく「暮らしの風景の一部」になります。
だからこそ、どんな木にするかはとても大切な選択です。
木の成長のこと、虫のこと、季節の変化のこと。
そんな視点も少しだけ加えて木を選ぶことで、日々のお庭の景色がぐっと心地よくなるかもしれません。
このページが、そんな木との出会いの小さなお手伝いになれば嬉しいです。